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Tech Open Air 2019 参加レポート [Part. 2]

TOAオフィシャルツアーに参加してきました Part.2

7/3 ~ 7/5 ベルリンにて開催されたTOAオフィシャルツアー2019に参加してきました。
今回は、オフィシャルツアーの方で訪問したベルリン市内のスタートアップの中から3つピックアップして、特におもしろかったものをご紹介いたします。
(ただの客観的な報告というよりは、それを受けて何を考えたか、ということが多くなってますので、個人的な意見も含まれます)

Part.1はこちら

1. Ghost - feel it

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まだ創業したばかりのスタートアップで、詳細な紹介ができませんが、神経科学や生理学の観点から、人間の触覚を拡張するウェアラブルデバイスを開発しています。(第六感を比喩にしてました)
アイデア自体はとてもシンプルですが、魅力的なビジョンと強力なファウンダーチームからなるスタートアップで、それをサポートする企業の存在がとても意義深いと感じました。

「人間の感覚を拡張するには、どんな手段があるか?」

「Ghost」のプロダクトは、身体の感覚を拡張しようというチャレンジです。たとえば、眼鏡やコンタクトレンズもその一種と言えます。本来の個人の持っている視力以上に、視覚能力を高めてくれます。あるいは補聴器もそうですね。

これらのデバイスは、人間の感覚器に侵入してくる物理的な刺激を、実際に受容するまえに加工することで、人間の感覚を拡張しています。
「Ghost」のアプローチの面白い点は、感覚の拡張へのアプローチが、この構造の限りではないというところにあります。人間の側にも外部刺激に対して適応・順応していく機能が組み込まれています。たとえば、フィギュアスケートの選手は目が回りにくかったり、寒い地域に住む人が寒さに強かったり、などです。個人的な見解としては、「Ghost」はこれを利用しようとしているのではないかと考えています。現時点では、その全貌はまだわかりませんが、このような人間側の適応を利用したデバイスとして捉えることで、その壮大なビジョンに現実味が出てくる気がしました。

2. Infarm

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こちらも撮影ができなかったので、Webページをご覧いただくといいと思います。
「Infarm」は、都市・垂直・屋内型農業のシステムを開発・リースしているスタートアップです。ラック内で野菜を栽培することができ、このラックはスーパーマーケットやレストランで見ることができます。

「消費地 = 生産地」

現時点では、各店舗へは苗の状態で運ばれるようですが、近い将来種子の段階で納入し、食べられるようになるまで全ての工程をラック内で完結させられるようになるようです。つまり、「消費地 = 生産地」となるわけです。
これが実現すると、流通コストが激減することになります。また、ラック内はセンサデータや機械学習を利用してコントロールされており、農薬や保存料を使う必要が一切なく、そして安定して早く育ちます。そして何より、ラックは縦に積んでいくことが可能であるため、単位面積当たりの生産量が従来の農業よりはるかに多くなります。
ラック型の野菜栽培を実現することで、安価・安全・持続的な農業を実現することができるのです。

「農家の未来」

Infarmのような都市型農業は、確実に食品産業にとっての未来であり希望です。食品にまつわる流通コストが全くない世界を想像してみてください。そしてそれらの食品は、農薬や添加物がなく、とても安全で環境負荷も低い。スケールすれば確実に受け入れられるでしょう。
Infarmや類似の都市型農業スタートアップが成長し、一般消費者が日常的にこのように育った野菜を消費するようになったら、従来の農家はどうなってしまうのでしょうか。
「ターゲットが異なるので、既存の農家には影響がない。共存関係になれるはず。」と言い切ってしまうのは、欺瞞であると言わざるを得ないのではないでしょうか(Amazonもかつて、書店は潰れないと言っていたとか)。
このような都市型農業の台頭は間違いなく、従来の農業にとっては打撃になるでしょう。そして役割の変化が必要になります。

「農業が文化になる日」

東京のど真ん中で、新鮮で安全な野菜を手に入れることができる日常においては、自然の中で野菜を育てる農家は、伝統を守る文化的な存在へと変化していくのではないでしょうか。そこに優劣はありません。ただ、文化として存在しているのです。そしてそんな "文化" には体験としての価値があります。つまり、農家は体験型のサービスを提供する、サービス業へと変化していくのではないでしょうか。第一次産業から第三次産業への変革が、都市型農業の襲来と共にやってくるのではないかと考えます。

3. Atlantic Food Labs

「Atlantic Food Labs」は「Atlantic Labs」というVCの、フードテック特化チームです。今回は、代替タンパク質に関するスタートアップのピッチを聞くことができました。(内容は割愛させていただきます🙇‍♂️)

全くの余談ですが、個人的に1年ほどベジタリアンを続けており、畜産のものをなるべく食べないという生活をしています。そんな自分にとっても非常に興味深い内容でした。

代替タンパク質というのは、「Impossible Foods」や「Beyond meet」に代表されるような人工肉や、人工乳製品などの人工のタンパク質源のことを指しています。

なぜ代替タンパク質がアツいか。

従来の畜産というのは、持続可能性の観点から大きな問題を抱えていると言われています。飼育過程での環境負荷や大量の水の消費などが問題視されています。 
このような背景から、畜産製品を食べないということを選択する人が増えています。しかしながら、タンパク質は摂取する必要がありますし、肉の味が嫌いなわけではないという人も多いです。そんな人たちの選択として代替タンパク質が注目されているのです。

それだけではなく、例えば乳製品ではないものからまるで乳製品のようなものが作れる、肉ではないものからまるで肉のようなものが作れるとなると、アレルギーや体質の問題が解決される可能性がある。代替タンパク質もまた、食品の未来の一つといえるのではないでしょうか。

以上、TOAオフィシャルツアーレポート Part.2 として、面白かったスタートアップとポエムをお送りいたしました。
Part.3も近日公開予定です。

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Queue Inc.

Queueは、渋谷を拠点とするスタートアップです。コンピュータサイエンスをバックグラウンドとするメンバーを中心に、研究開発からアプリケーション化までを高速に行うことで、今までこの世界に存在しなかったソリューションを提供します。
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