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Tech Open Air 2019 参加レポート [Part. 1]


TOAオフィシャルツアーに参加してきました

7/3 ~ 7/5 ベルリンにて開催されたTOAオフィシャルツアー2019に参加してきました。

参加を決めた理由
Queueでは、企業のオープンイノベーションに、技術開発のパートを担う立場として参画するR&Dサービスを展開しています。そのため、オープンイノベーションに関わる者として、海外のイノベーションを日本企業の人がどう見るのか知りたかったというのが一番のモチベーションです。
これまで弊社でもいくつもの事例を生み出してきましたが、すべてのニーズに応えられていたわけではありませんでした。3期を終えるこのタイミングで、次なるステップのヒントを得るための視察となりました。

注目していたもの: Food TechとMobility
事前勉強会でFood TechとMobilityが盛り上がりそうだとの情報を得ました。これは興味深いトレンドでした。というのも、私の母方の実家が農家であり、日本のメディアでも度々取り上げられていた infarm社 には、かねてより非常に強い関心を持っていました。また、この1年ほど個人的な実験としてベジタリアン生活を続けており、Impossible Foods社 などに代表される代替タンパク質食品にも興味があったものの、日本ではまだそれほど大きなトレンドにはなっていないため触れる機会も多くはありません。そのため、この機会に Food tech の最新トレンドに触れられるだろうと感じていました。


ベルリン巡りリポート

Sankt Oberholz
滞在していた Hotel Amano のすぐ近くにあったため(それを狙って滞在エリアを選んだわけですが)、滞在中の作業場所として使っていました。St. Oberholz は2005年に誕生したベルリン初のコワーキングスペースです。ネットワーク早い・コーヒー美味しい・開放的など、理想的なワークスペースを提供してくれます。利用方法も、月額会員・1day ドロップイン・時間課金・カフェ利用のみなど都合に合わせて柔軟に利用できるのが魅力です。
St. Oberholzについては以下の記事が詳しいです。


ベルリン滞在中の作業場所としては最強にオススメです!

GOOD BANK


Infarm社直営のサラダスタンドです。店内で、Infarmのラックを用いてレタスを栽培し、それを使ったサラダやサンドイッチを売っています。

デザインブックストア巡り
1. Soda Books

(画像は iHeartBerlin より引用)
雑誌のセレクトショップ。デザイン系・ファッション系のマガジンが多くセレクトされています。 Startup Guide Berlin が平積みされていたのが印象的でした。こちらも U-Bahn の Rosenthaler Platz 駅至近、St. Oberholz Rosenthaler Platz店からも徒歩1分以内です。Berlin滞在のたびに必ず訪れますが、ずっと置かれ続けているものもあれば、リフレッシュされているものもあり、非常におもしろいです。


2. Do you read me?
雑誌に限らず、アート関係の書籍が充実する書店。こちらも独自のキュレーションが魅力であり、セレクトショップという印象です。ドイツだけでなくヨーロッパ全土・世界中から選り抜きのセレクトが行われており、特にファッション・アート系のインディペンデントマガジンのセレクトが秀逸です。こちらもMitte地区にあり、Soda Booksから徒歩5分くらいです。

この二つに限らず、ベルリンの書店は「セレクトショップ」といった印象のものが多いです。書店によってセレクトや配置に個性があり、訪れるたびに新たな出会いがあります。

移動は E-scooter で

ベルリン市内の移動はほどんど TIRECIRC を利用していました。これが予想以上に快適!いたるところに置いてあって、アプリからすぐに借りられます。そして意外とスピードが出ます。キックボードの 20km は体感結構早いです。電車で移動しきれない細かな移動がすごく楽でした。ただし、ヨーロッパならではですが、石畳がかなりきついです笑 


TOAセッションピックアップ

Game of Startups

欧州のVC・インキュベータ・アクセラレータによるクロストークセッション。Alice Zagury(TheFamily), Ben Costantini(Startup Sesame), Connor Murphy(Techstars), Roxanne Varza(Station F), Yoram Wijngaarde(Dealroom.co) が登壇していました。セッションタイトルは Game of Thrones のもじりであり、内容はヨーロッパ全体・各都市のスタートアップシーンを、主に地理・文化的な要因を用いてアジア・アメリカ地域と比較して論じるというセッションでした。様々な観点から議論が進行しましたが、特に面白かったのは人材活用についてです。ヨーロッパ、特にEU内では国・都市間のアセットの流動性が非常に高いわけですが、ライフコストや人材コストは場所によって大きな開きがあります。そのため、ヨーロッパのスタートアップにとっては都市を分散して採用をすることで、コストパフォーマンスの高いチームを組成することが可能である点が強みであるということでした。さらに、パリの巨大インキュベータである Station F ではおよそ 1/3 が外国人であり、基本的にフランス語は使わず、皆英語でコミュニケーションを取っていると話していました。

ピッチステージ

2日目はピッチステージにかじりついていました。TOAのピッチステージは他のカンファレンスとは違い、バトルではなく審査員もいません。ステージのオーディエンスとファウンダーたちとの意見交換が主な目的として設定されていました。特におもしろかったピッチをピックアップします。

1. Lytt

Lyttは、ユーザーにとっては仕事上のセンシティブな問題を、専門家に匿名で相談できるアプリであり、企業にとっては職場環境改善のためのHRツールです。Lyttはセクハラ・労務問題・ストレスなどの専門家、カウンセラーを抱えており、ユーザーは匿名で、かつ簡単に相談をすることができます。職場にまつわる問題は、なかなか相対化しにくいものであり、このような機会があるだけでもすごく助けになるなと感じました。と同時に、匿名で集められたデータはリポートとなり、企業に対して提供されます。企業はそのリポートを元に職場環境の改善を実施することができます。匿名かつ専門家の対応を通したデータには信頼が置けますね。
日本で類似のサービスを考えると、職場環境を口コミでオープンにしていくようなサービスがありますが、Lyttは双方にとって効果的かつ平和的な方法で職場環境改善に取り組むことができそうだという点で非常にスマートなやり方だと思いました。

2. FrameRight

(画像は https://frameright.io/ より引用)

たとえばECサイトの商品をSNSでシェアするとき、埋め込みで表示される画像は元のサイトの画像素材が想定したものとは違うアスペクト比で表示されてしまったりします。スニーカーをシェアしているのに、サムネイルではスニーカーが写ってない!なんてことも。FrameRightはこれを解決するためのWebアプリケーションです。FrameRight上に画像をアップロードすると、アプリ上の編集画面から「どんなサイズで表示されるときには、この形で切り出してくれ」という設定をすることができます。
これは確かに便利だな!と感じました。普段Webサイトやアプリケーション制作で、CMSなどを通じてコンテンツを配信する必要があるとき、デバイスのアスペクト比やSNSの embed を考慮して全体的に難のない素材を用意する必要があるので、FrameRightを経由するとその苦労がなくなりますね。

3. LUKSO & ZkSystems

LUKSOはラグジュアリーファッションブランドのためのブロックチェーン基盤ならびに、商品の履歴を証明するアプリケーションを提供するスタートアップです。商品の中に無線タグを仕込み、それをアプリから読み取ることで読み取り・書き込みを行うことができます。高額な商品の二次流通などの際に、それが本物なのか、あるいは過去にどんな取引がされてきたのかといったことを証明できます。

ZkSystemsは工業製品のためのブロックチェーンを活用したシステムを提供しています。工業向けの機材・工具などに用いることで、中央管理により使用状況を可視化したり、リース料金を月額ではなく厳密な使用量に応じて課金するシステムを提供しているとのことです。

両者に共通するのは、業界のオーソリティを早くに巻き込んでいるということです。ブロックチェーン技術はすでに仮想通貨(BTC, ETH)やゲーム(CryptoKitties) などで応用されていますが、リアルワールドの課題に対するソリューションとしての応用が世界中で試行錯誤されています。実際の産業に、ブロックチェーンのような新しい技術を応用するにあたっては、各業界のオーソリティ・ビッグプレイヤーをいかにして巻き込むか、ということが重要になります。その点、LUKSOは CHANEL や Buberry の要人をアドバイザーに迎え、ZkSystemsはBoschとアライアンスを組んでいます。日本ではこのような動きはまだ活発ではないので、オープンイノベーションに積極的なヨーロッパらしい動きだなと感じました。

ZeBrand

老舗フォントベンダー、モリサワ の米国法人 Morisawa USA の新規事業である ZeBrand がブース出展とピッチを行なっていました。ZeBrandはアーリステージのスタートアップのためのブランディングオートメーションツールです。社名、取り組んでいる業界・セクター、ビジョン、ミッションなどを入力していくことで、ブランディングツールキットを自動で生成してくれます。Queueでの研究活動の中でも 'クリエイティブオートメーション' というテーマがあり、非常に興味深いプロダクトでした。(Queueでもやってみました。一例👇)


Part.2 (近日公開予定) に続きます



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Queue Inc.

Queueは、渋谷を拠点とするスタートアップです。コンピュータサイエンスをバックグラウンドとするメンバーを中心に、研究開発からアプリケーション化までを高速に行うことで、今までこの世界に存在しなかったソリューションを提供します。
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